奈良県吉野町
    セラピーの森を歩く
 ( 2017.08.05 )

 さる自然観察グループの仲間と一緒に奈良県吉野町のセラピーロード(万葉の道)を歩き、滝の水しぶきや小川のせせらぎに束の間の涼を味わってきました。

森林セラピーロードを歩く


森林セラピーロード
  (吉野・宮滝万葉セラピーロード)

 近鉄の吉野駅から宮滝にいたる、全長約8kmのハイキング道。杉の木が林立する象(きさ)の山中は万葉の道の中でも最も人気のある道で、古くは万葉人が、また近代になると多くの文人墨客が往来した。風の音・鳥の鳴き声・瀬音・木末の葉ずれ音・・・・が旅人に心地よい余韻を与えてくれる癒やしの道だ。



所在地:奈良県吉野郡吉野町
アクセス:セラピーロードへの出発点は近鉄の吉野駅。
      駅の近くにロードへの入り口がある。
      登り道が苦手な人には、駅からロープウエイや
      タクシーである程度の高度まで上がり、そこから
      ロードに合流することもできる。
     
歩行距離:近鉄吉野駅から歩いて登った場合は
        宮滝バス亭まで約8km。
問い合わせ先:吉野ビジターズビューロー  0746-34-2522


  今回歩いたコース

近鉄吉野駅-(タクシー)-吉野中千本万葉の道入り口(=セラピーロードの途中点)-稚児松地蔵喜佐谷(こもれび広場・象の小川・高滝)-
桜木神社
宮滝 (全行程は7kmほど)


スタートは近鉄吉野駅

 セラピーロードの出発点は近鉄の吉野駅。駅から歩いて登るコースもあるが、熟年グループの私たちは駅からタクシーに乗って吉野中千本万葉の道入り口まで上がった。

近鉄電車の吉野駅


セラピーロードへ







稚児松地蔵
  ちごまつじぞう

 吉野山と宮滝を結ぶ吉野宮滝万葉の道の分岐点に建っている。小さな祠はトタン屋根の小屋に覆われており、祠の中にお地蔵さんが祀られている。その昔、ここを通る旅人の安全を祈願して建てられたものだろうが、今もハイカー達の安全を見守ってくれている。

 ちなみに、稚児松地蔵というちょっと変わった名前の由来は、「稚児松」と言う名の松の側に建てられたお地蔵さん、ということで付けられた名前。その松は20年ほど前(?)に枯れたそうだが、今も祠のすぐ後ろに朽ち果てた松の大きな切り株が残されている。





喜佐谷の杉林を歩く
 きさだに
 象谷(きさだに)から転じて喜佐谷という地名が生まれた。奈良時代、象(ぞう)は誰も見たことはなかっただろうが、象牙に入った紋様が地図の等高線に似ていることは知られていたようで、この谷の蛇行した様がそれに似ていたことからキサ(象)谷の名が付けられたと言われている。ちなみに、信州の木曽谷もキサ谷が転訛した地名のようだ。私たちは、喜佐谷では「こもれび広場」「象の小川」「高滝」の3ヶ所に立ち寄った。



 こもれび広場

 最近できた施設のようで、杉の丸太の椅子が置かれていたり、細いロープで編んだハンモックが吊られていたりする憩いの広場。風の音や鳥の声・木漏れ日・木の香り・・・ハンモックに寝てそんな自然の営みを五感で味わってもらうことを目的として作られた広場。



 象 の 小 川
  きさのおがわ

 喜佐谷の杉木立のなかを流れる小さな渓流で、やまとの水31選のひとつ。吉野山の青根ヶ峰や水分神社の山あいに水源をもつ流れがこの川となって、その先は吉野川に注ぐ。万葉集でも何人かの歌人に詠まれているようだ。



小川のせせらぎを動画で

 右の写真をクリックすると、象の小川のせせらぎを動画でご覧いただけます。

 画面の下に幾つかのメニューが出た場合は、「ファイルを開く」「許可する」をクリックしてください。(最近は Microsoft のセキュリティー・チェックが厳しい/苦笑)


高 滝
 たかたき

  セラピーロードから少し外れた象の小川沿いにある滝。(高さは約10m) 最近、滝の下まで歩道が整備された。滝の大きさはそれ程でもないが、それでも岩肌を分けて流れ落ちる姿は雄大。滝壺ではマイナスイオンが発生しているので身体によいらしいが、今回はそんなことよりも、水しぶきによってできた涼しい空気が有り難かった。






滝の流れの動画で

 右の写真をクリックすると、岩肌を流れおいる高滝を動画でご覧いただけます。

 画面の下に幾つかのメニューが出た場合は、「ファイルを開く」「許可する」をクリックしてください。

喜佐谷の村落
 きさだに
 高滝から少し下るとトレッキングコースが終わり、喜佐谷の村落に入る。何軒かの農家がこぢんまりとかたまった小さな村落だ。そこからしばらく歩くと桜木神社。



桜木神社
 さくらぎじんじゃ
 象の小川のほとりに建つ、大海人皇子ゆかりの神社。神社への参道として、象の小川に架かる屋形橋(屋根のついた橋)を渡ると朱色の大きな鳥居が立っており、それを超えると社が見える。
 小川の清らかな流れと鮮やかな朱塗りの社殿が印象的で、大国主命と少彦名命(すきなひこなのみこと)が、また、672年の壬申の乱に際してこの地に潜幸した天武天皇が祀られている。




屋形橋

 橋の上に屋根が架かっている橋。日本に2つしかないそうだ。



朱塗りの大鳥居

 奥に見えるのは拝殿

拝殿(手前に見える建物)と本殿


宮 滝 森林セラピーロードの終着点
 みやたき
 宮滝はセラピーロードの終着点。宮滝を流れる吉野川の近くから、縄文時代以降の遺構・遺品が出土している。時代は下って飛鳥時代から奈良時代にかけては、天皇や大宮人たちの為の「吉野離宮」がつくられたそうで、近年、それを裏付ける建物跡の一部が出土しているそうだ。



吉野川と宮滝大橋


 桜木神社からセラピーロードを下ってくると、県道39号(画面右の道)と合流する。奥に見えているのは宮滝大橋。

吉野川の流れ 大きな岩がごろごろしている。画面の中程の
崖あたりで(赤い円で囲った所)、象の小川が流れ込んでいる。

宮 滝 遺 跡 の 碑


コミュニティバスで上市へ

 宮滝大橋近くのバス停からコミュニティバス(ゆうゆうバス)に乗って近鉄の大和上市駅へ向かった。バスは吉野川沿いに国道169号を走る。河原のところどころに水遊びの家族連れが見えた。そんなのを見ていると、女房から「母が女学生の頃に吉野川で泳いでいた」(今から90年も前のこと)・・・と聞いたことを思い出した。人は変わっても自然は変わっていない。
 大和上市駅から近鉄の阿部野橋行き急行に乗り、1時間半もかけて大阪へ帰ってきた。



 森林セラピーロードという名前が付けられただけあって、それにふさわしい施設ができていたり、滝への道が整備されたりして、以前とは随分と様変わりしていました。

 私たちの先生(自然観察講座の講師)が、焼き餅(草餅)と西瓜を持ってきてくれました。散策のスタート地点で食べた草餅は甘くて香ばしく、これから山に登る元気の素になったし、桜木神社の境内で食べた西瓜は冷たくて甘くて、火照った身体が生き返るようでした。この暑さの中、重い荷物を持ってきてくれた先生に感謝です。


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